こんにちは、【元先生】です。
公立高校の先生として10年働き、2025年春に民間企業に転職しました!

「教員の仕事量が多すぎる…。」
「授業以外の業務に追われて辛い…。」
「この先も教員として働き続けられるかな…?」
そう感じるのは、決してあなただけではありません。
文部科学省が実施した「教員勤務実態調査(令和4年度)」によると、公立学校教員の時間外労働は月平均60時間に達しており※1、過労死ラインとされる月80時間の水準に迫っています。
(※1 ボリュームゾーンである「1週間の総在校時間55時間」を月換算で算出)
さらに、「令和6年度公立学校教職員の人事行政状況調査について」によれば、精神疾患を理由に休職した教員は、公立学校だけで約7,000人となっており、教職の厳しさは数字としても明らかです。
加えて、近年は公立学校の教員採用試験の倍率も大きく低下し、自治体によっては1倍台にまで落ち込んでいます。
これは、現場の過酷な労働環境が広く認識され、教員が「なりたい仕事」から「避けられる仕事」へと変わりつつある現実を示していると言えるでしょう。
私自身、公立高校で10年間教員として働く中で、やりがいを感じつつも、「授業と生徒に向き合う仕事以外の業務が多すぎる」というモヤモヤを常に抱えていました。
この記事では、忙しさの要因である「多過ぎる教員の業務内容」を整理し、忙しさからどのように脱却できるかを解説します。

今の働き方にモヤモヤしている人が、現状を整理し、今後のキャリアを考えるきっかけになれば幸いです。
教員の業務内容
民間企業で勤務してみて、教員という仕事がいかに「マルチタスクを求められる大変な仕事」であるかということを再認識しました。
本業である授業をしながら、経理担当(学校会計や学年会計)や総務担当(校務分掌)を兼務し、それに加えて部下のマネジメント(担任業務)もこなさなければなりません。
時にはコールセンターでの架電対応(保護者からのクレーム対応)も業務範囲に含まれます。
民間企業では考えられないほどの幅広い業務を、同時並行で行わなければなりません。
ここでは、教員の業務内容をそれぞれ具体的に整理していきます。

自分の業務の棚卸しと、思考の整理だと思ってお付き合いください。
教科指導
“教科指導”は、教員としてメインの業務です。
私の経験では、1週間あたり2~3科目を担当し、授業時数は大体15~17時間でした。
授業の準備から実施まで、それに加えて提出物のチェック、試験の作成・採点、成績処理なども教科指導に含まれます。
授業以外の時間にも多くの準備・処理が割かれており、想像以上に“授業だけ”では済まないと感じました。
校務分掌(グループ業務)
教員の大きな仕事の一つが「総務」「教務」「生活指導」「キャリア」などの、いわゆる校務分掌と呼ばれる業務です。
例えば「総務」では入学式・卒業式の運営、清掃当番の作成など、「教務」では時間割・定期試験・成績処理など、「生活指導」ではいじめアンケートの実施・生徒指導などの業務があります。
このような“授業準備・授業実施”と並行しての校務分掌の業務量が多いため、多くの先生が「授業以外の業務に追われている」と感じる理由となってしまいます。
担任・副担任業務
担任業務は、教員の中でも特に仕事量の多い役割です。
ほぼ全ての教員に「担任」または「副担任」が割り当てられ、授業や校務分掌に加えて、クラス運営に関わる多くの業務が発生します。
最近では担任の希望者が少なく、臨任や再任用の教員が担任を務めるケースも増えています。
担任の主な仕事は次のとおりです。
- 朝・帰りのSHR
- LHRの実施
- 個人面談・三者面談
- クラス運営(行事の準備や役割決めなど)
- 保護者対応(相談〜クレームまで幅広い)
- 生徒の転退学時の手続き
主なものを記載しましたが、実際にはさらに細かな仕事が多数あります。
特に保護者対応や日々の生徒の対応は、精神的な負担も大きく、授業準備に当てる時間が削られてしまうこともしばしばです。
とはいえ、担任は「生徒の成長を一番近くで見られる」やりがいの大きい仕事でもあります。
学年
担任業務とは別に、「学年の仕事」も教員が担う大きな役割のひとつです。
多くの学校では担任がそのまま学年団に入り、各学年ごとの業務を分担する形になります。
代表的な学年業務には以下のようなものがあります。
- 学年主任(リーダー)
- サブリーダー
- 学年会計
- 遠足・修学旅行などの行事担当
- 学年集会や学年企画の運営
学校の方針にもよりますが、1年~3年まで同じ担任で学年を受け持つことが多く、学年の仕事も同じメンバーで継続することになります。
私は教員として勤務していた10年間のうち、6年間学年会計を担当しました。
年度の予算管理、業者とのやり取り、学年企画の費用調整など、事務的な負担が意外と多く、授業や担任業務の合間に処理しなければなりません。
学年業務は、生徒全体を見ながら動く責任があり、思った以上に時間と労力がかかります。
部活動
多くの学校では、教員1人につき1つ、あるいは2つの部活動顧問を担当します。
しかし現場の実態は、一部の熱心な教員や「断りづらい教員」に負担が集中している という構造があります。
近年は部活動の改革により、外部指導者の活用や、活動日のローテーション制が増えてきましたが、それでもなお、顧問の負担が大きいことに変わりはありません。
部活動の主な仕事内容は以下の通りです。
- 平日の放課後指導
- 土日の大会・練習試合の引率
- 保護者会・部費管理
- トラブル対応(生徒の体調不良など)
- 顧問間の調整
部活動をやりたくて教員になった人には魅力的な側面もありますが、そうでない教員にとっては大きな負担になります。
実際、「部活動が教員をブラックにしている」と言われる理由の多くは、授業準備や休息の時間を奪われてしまう点にあります。
ワーキンググループ
「既存のどのグループにも分類しづらい業務」や「新しく発生した仕事」は、ワーキンググループ(W.G.)として別枠で教員に割り当てられます。
例としては以下のようなものがあります。
- 修学旅行W.G.
- ICT推進W.G.
- 入学者選抜W.G.
- 学校独自の計画・企画に関するW.G.
これらのW.G.は、実質的に「他のグループに押し込めない仕事の受け皿」になっており、追加で新しい業務が増えても、既存業務はほとんど減らないというのが現実です。
いわば、スクラップ・アンド・ビルドではなく “ビルド・アンド・ビルド”。
結果として教員の負担はどんどん積み上がっていく構造です。
ワーキンググループは一見すると小さな仕事に見えますが、年度後半は忙しさがピークになりやすく、意外と時間を取られることも多いです。
忙しさからの脱却方法
ここまで、教員の忙しさの要因となっている「業務範囲の幅広さ」について紹介してきました。
こここらは、どうやったらその忙しさから脱却できるかを考えていきましょう。
私の10年間の教員経験から、特に効果があったと感じるものを紹介します。
対策①:「やらないこと」を決める
大事な心がけだとは思いますが、忙しい教員が全ての業務を完璧に取り組んでいてはいくら時間があっても足りません。
今自分がやっている業務の中で、「やらないこと」を決めてみてください。
小さなことで構いません。
- 授業プリント(データも含む)の回収とチェックは毎回じゃなくていい
- 教室の掃除は毎日でなくてもいい
- 提出物へのコメントの記載は毎回しなくてもいい(スタンプで代替)
- 学級日誌へのコメントは書かない(スタンプで代替)
学年や教科、グループとして取り組んでいる業務を勝手にやめることはできませんが、個人で行っている業務であれば「やらない」と決めることもできると思います。
授業やホームルームなどの定常業務の中の一部を「やらない」と決めるだけで、多くの時間を捻出できるはずです。
「やらない」と決めた後に、「やっぱりやった方がいいかも」と思えばその時に再開すればいいだけです。

まずは業務をスリムにすることから検討してみてください。
対策②:断る・休む勇気を持つ
特に若手の先生が陥りがちですが、振られた業務全てに全力で取り組もうとしていませんか?
また、1年に20日付与される年休が毎年使いきれず、年始に40日になっていませんか?

私も働き始めたころはまさに同じような状況でした。
時には振られた仕事を断る・休む勇気を持つことも大事です。
とはいえ、なんでもかんでも断っていては学校の仕事は回らないので、適切に取捨選択することが重要です。
イメージとしては、「得意な仕事を積極的に取りに行く」代わりに「苦手な仕事を断る」といったところでしょうか。
私は次のような業務は積極的に担当になるようにしていました。
- 成績処理の仕事(教科)
- 会計関係の仕事(学年)
- 新年度のクラス編成(学年)
私の場合、「予定を立て、見通しを持って進められる業務」に対して適性とやりがいを感じていたため、上記のような業務には積極的に取り組んでいました。
これは校務分掌(グループ)を決める際にも重要な考え方だと思います。
次年度の体制を決める際に、自分の意見が必ずしも反映されるわけではないかもしれませんが、グループの希望は必ず記入するようにしましょう。
学年もグループも全て「一任」で提出する先生もいましたが、私は常に希望は出すようにしていました。
また、勇気を持って「休む」ことも重要です。
特に担任をしている先生は、

朝と帰りのホームルームがあるから休めない…。
と思ってしまいがちですが、副担任の先生に代わりにホームルームに行ってもらいましょう。
私も、出張が無いときでも朝や帰りのホームルームを副担任の先生によくお願いしていましたが、断られたことは一度もありませんでした。
対策③:キャリアチェンジを視野に入れる
教員の仕事が本当に辛いときは、キャリアチェンジも視野に入れてみてください。

せっかく苦労して教員になったのに…。
という気持ちも分かりますが、忙しさのあまり自分の心と身体の健康を害してしまっては元も子もありません。
また、冒頭で述べた通り、教員採用試験の倍率が低下している今、教員の仕事は「一度辞めたらもう戻れないもの」ではなくなりつつあります。
私も退職時、管理職に「いつでも戻ってきてください」と声をかけてもらいました。
「教員を辞めること」「転職すること」は決して「逃げ」ではありません。
自分の心と身体の悲鳴を無視し続け、無理して教員を続けることが、果たして生徒と自分のためになるか考えれば答えは明白だと思います。
私自身の転職体験談は、他の記事でも書いているのでもしよければ参考にしてみてください。
まとめ:構造的な問題は簡単に変わらないため適切な防御策を
この記事で紹介したように、教員の仕事は授業だけではなく、校務分掌・担任業務・学年・部活動・ワーキンググループなど、多岐にわたります。
忙しさの理由は、「本来の仕事以外にやることが多すぎる」 という単純で、しかし避けて通れない構造的な問題にあります。
教員の仕事は、やりがいがある一方で、業務量の多さからモヤモヤを抱えやすい仕事でもあります。
また、私が教員時代に実際に行った対策も紹介しました。
- 「やらないこと」を決める
- 断る・休む勇気を持つ
- キャリアチェンジを視野に入れる
実際に取り入れられそうなものがあれば試してください。
どうしても状況が改善されなければ、転職も選択肢の一つです。
私は、教員の働き方にモヤモヤしている時にキャリアコーチングを受け、思考の整理をすることで次に進むことができました。
キャリアコーチングは有料であるため、全ての人におすすめできるものではありませんが、少しでも興味のある人は関連記事も読んでみてください。
キャリアの選択に正解はありません。
大切なのは、「今の働き方は、自分にとって本当に幸せか?」 を見つめることです。

この記事が、あなたの将来のキャリアを考えるきっかけになれば幸いです。





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