
「先生の仕事って、こんなに多いの?」
「授業以外の業務に追われて苦しい…。」
そう感じている先生は決して少なくありません。
私自身、首都圏の公立高校で10年間先生として働く中で、やりがいを感じつつも、
『授業と生徒に向き合いたいのに、他の仕事が多すぎる』というモヤモヤを常に抱えていました。
この記事では、教員の仕事の内容を
- 教科指導
- 校務分掌
- 担任業務
- 学年
- 部活動
- ワーキンググループ
の6つに分けて、できるだけわかりやすく解説しています。
“先生を続けるか迷っている人” や “これから教員を目指す人” にとって、「現場で実際に何が起きているか」 を知る手助けになれば幸いです。
教科指導
“教科指導”は、先生として最も一般的にイメージされる業務かもしれません。
私の経験では、1週間あたり2〜3科目を担当し、授業時数は大体15〜17時間でした。
授業の準備から実施まで、加えて提出物チェック、試験の作成・採点、成績処理などが含まれます。
つまり、授業以外の時間にも多くの準備・処理が割かれており、想像以上に“授業だけ”では済まないと感じました。
校務分掌(グループ業務)
学校には「総務」「教務」「生活指導」「キャリア」など、複数のグループがあり、校務分掌と呼ばれています。
例えば「総務」では入学式・卒業式の運営、奨学金対応、清掃当番の作成などを、「教務」では時間割・定期試験・成績処理などを、「生活指導」ではいじめアンケートの実施・生徒指導などを担当します。
このような“授業準備・授業実施”と並行しての校務分掌の業務量が多いため、多くの先生が「授業以外の業務に追われている」と感じる理由となっています。
担任・副担任業務
担任業務は、教員の中でも特に仕事量の多い役割です。
ほぼ全ての教員に「担任」または「副担任」が割り当てられ、授業や校務分掌に加えて、クラス運営に関わる多くの業務が発生します。
最近では担任のなり手が少なく、臨時的任用(臨任)や再任用の教員が担任を務めるケースも増えています。それほど負担が大きいということです。
担任に割り当てられる主な仕事は次のとおりです。
- 朝・帰りのSHR
- LHRの実施
- 個人面談・三者面談
- クラス運営(行事の準備や役割決めなど)
- 保護者対応(相談〜クレームまで幅広い)
- 生徒の転退学時の手続き
実際にはさらに細かな仕事が多数あります。
特に保護者対応や日々の生徒フォローは、精神的な負担も大きく、授業準備に当てる時間が削られてしまうこともしばしばです。
とはいえ、担任は「生徒の成長を一番近くで見られる」やりがいの大きい仕事でもあります。
負担とやりがいが大きく入り混じるのが、担任業務の現実です。
学年
担任業務とは別に、「学年の仕事」も教員が担う大きな役割のひとつです。
多くの学校では担任がそのまま学年団に入り、各学年ごとの業務を分担する形になります。
代表的な学年業務には以下があります。
- 学年主任
- 学年会計
- 遠足・修学旅行などの行事担当
- 学年集会や学年企画の運営
学校の方針にもよりますが、特に「持ち上がり制」の学校では、1年〜3年まで同じ学級を受け持つことが多く、学年の仕事も同じメンバーで継続することになります。
私が勤務していた学校では、私は6年間連続で学年会計を担当しました。
年度の予算管理、業者とのやり取り、学年企画の費用調整など、事務的な負担が意外と多く、授業や担任業務の合間に処理しなければなりません。
学年業務は、生徒全体を見ながら動く責任があり、思った以上に時間と労力がかかります。
部活動
多くの学校では、教員一人につき1つ、あるいは2つの部活動顧問を担当します。
しかし現場の実態は、一部の熱心な教員や「断りづらい教員」に負担が集中している という構造があります。
近年は部活動の改革により、外部指導者の活用や、活動日のローテーション制が増えてきました。それでもなお、顧問の負担が大きいことに変わりはありません。
部活動の主な仕事内容は以下のとおりです。
- 平日の放課後指導
- 土日の大会・練習試合の引率
- 保護者会・部費管理
- トラブル対応(生徒の体調不良など)
- 顧問間の調整
部活動をやりたくて教員になった人には魅力的な側面もありますが、そうでない教員にとっては大きな負担になります。
実際、「部活動が教員をブラックにしている」と言われる理由の多くは、授業準備や休息の時間を奪われてしまう点にあります。
ワーキンググループ
学校には、「既存のどのグループにも分類しづらい業務」や「新しく発生した仕事」が少なくありません。
そうした業務は、ワーキンググループ(W.G.)として別枠で教員に割り当てられます。
例としては以下があります。
- 修学旅行W.G.
- ICT推進W.G.
- 入学者選抜W.G.
- その他、学校独自の計画・企画に関するW.G.
これらのW.G.は、実質的に「他のグループに押し込めない仕事の受け皿」になっており、追加で新しい業務が増えても、既存業務はほとんど減らないというのが現実です。
いわば、スクラップ・アンド・ビルドではなく “ビルド・アンド・ビルド”。
結果として教員の負担はどんどん積み上がっていく構造です。
ワーキンググループは一見すると小さな仕事に見えますが、年度後半は忙しさがピークになりやすく、意外と時間を取られることも多いです。
まとめ
この記事で紹介したように、教員の仕事は授業だけではなく、校務分掌・学年・担任業務・部活動など、多岐にわたります。
忙しさの理由は、「本来の仕事以外にやることが多すぎる」 という単純で、しかし避けて通れない現実にあります。
教員の仕事は、やりがいがある一方で、業務量の多さからモヤモヤを抱えやすい仕事でもあります。
辞める・辞めないに正解はありません。
大切なのは、「今の働き方は、自分にとって本当に幸せか?」 を見つめることです。
今感じている違和感は、あなたの心が送っている大切なサインかもしれません。
このブログでは、私自身の経験をもとに、働き方のリアルや転職のプロセスなども発信していきます。
これからのキャリアを考えるヒントになれば幸いです。

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